備忘録

大きな魚を、磯から、ルアーで。 釣りに魅せられた20歳の学生が挑んだ半年間の備忘録です。~令和元年4-9月~

母島の釣り⑰

半年間で12回にも及んだ沖磯釣行。

 

GT、キハダ、イソマグロという海域3主役に魅せられ、挑んだ半年間。

未練がないと言ったら嘘になるけれど、それは未練と呼ぶには少し贅沢すぎるものなのだろう。

 

 

去年の夏の挫折から半年、島の釣り人の方達に声をかけてもらって再スタートした沖磯チャレンジ。

両手じゃ数えきれないほど悔しい敗北を喫したというのに、報われた数は片手で数えられるほど。

だけどそれがこの海域の、磯大物釣りの醍醐味で、宿命なのだろう。

 

 

自分はこの海で、この半年間で、深淵を覗けたのだろうか。

大好きな釣りと、真摯に向き合えたのだろうか。

幼い頃からの思いを、形にして残すことが出来たのだろうか。

 

珍しくそんな自問自答に浸かりながら、荷物をまとめ、5時に港へと足を運んだ。

 

 

 

 

9/22

小潮

満潮…13:32

干潮…5:48

 

「最後だからもう一回沖磯行くか?」

 

バイト先の店主が、親切にもそう声をかけてくれたのがきっかけで、半年間を締めくくる沖磯釣行はなんと無料で、しかも初の母島釣り部全員集合での記念釣行となった。

 

といっても、つい数日前にも沖磯には乗っており、冷静沈着、淡々と船に荷物を積み込む。

 

5時出船。

西からの2メートルを超えるウネリをものともせず、船は雄々しく東を目指す。

 

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裏高根、東崎、ウエントロの離れ、石門崎…

本島東に位置するポイントを順に見てまわるも、どこもウネリをもろに被っており渡礁は厳しい状況。

船に激しく揺られ、リバース寸前のIさん。

これは湾内の地磯になるだろうなと腹をくくりつつ、最後に訪れた島北東部の離れ磯、臥牛角でまさかのOKサイン。

乗れる磯なんてないだろうと前日から覚悟を決めていたものの、結局乗ったのは島屈指の1級磯。

なんとラッキーな事だろう。

 

荷物を高いところにまとめ、釣り開始。

時折危険な波が足元を洗い気が気でない…なんて思っていると、早速Mさんの自作ルアー、通称モリペンに大型魚がバイト!

惜しくもミスバイトだったものの、幸先は悪くない。

 

ファーストフィッシュはIさん。

先日発売されたボアーという大型ミノーでバラクーダをキャッチ。

この魚が1級磯で釣れるのは潮が弛んでいる時間帯である証拠だ。

 

その後はなかなか反応を得られないまま、次第に力強さを増すウネリに大苦戦。

海面が激しく上下しているせいで、潮の流れをなかなか読むことができない。

 

潮を読めないならばと、自分はミノーにルアーチェンジして、足元のサラシを丹念に探っていく。

狙いはサラシが好きと言われるカスミアジ。

 

左右からのウネリが磯際で砕け、いかにもというサラシが沖に払い出している箇所をネチネチ探っていると、待望のヒット!

 

ヒットと同時に走る事なく、その場でゴンゴンと首を振っていたので、中型のカスミアジだと思い強引に勝負をかけると、海面に浮いてきたのは予想に反してまさかのキハダ。

 

ウネリにより磯際からかなり後退してのファイトだったため、取り込みは肝を冷やしたが、ちょうど良いセットが入ってきたのでそのまま波に乗せぶっこ抜き。

 

15キロ。

決して良いコンディションとは言えない磯で引き出せた回遊魚に歓喜した。

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思えばこっちに来て初めての沖磯で釣ったのもキハダだった。

8.5キロと、決して大きいとは言えないキメジサイズに翻弄されながら、なんとかキャッチしたあの日と比べると、我ながら、少しは成長出来たのだろう。

 

 

余談だが、人と魚とには相性みたいなものがあると自分は思っていて、自分はどうやらキハダと相性が良いらしい。

同じように磯に行っても、なぜか10キロを超えるキハダは自分にばかりヒットするし、GTはMさんに、イソマグロはKさんにヒットする確率が非常に高いように思える。

ルアーアクションの癖によるものなのか、それとも先天的な何かなのか、、

何とも不思議な事である。

 

 

余談はさておき、このキハダは単発に終わり、その後は再びシビアな時間帯が続く。

自分は先程のキハダでもう十分に満足してしまったので、ジグに切り替えお土産釣り。

30センチほどのアカハタが遊んでくれた。

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エサ釣りに切り替えたIさんも良型のバラハタをキャッチ。

お店で出す魚を確保せよとの指令を受けていたので、美味しい魚が立て続けに釣れて一安心だ。

 

 

お弁当を食べ一息ついていると、こちらもエサ釣りに切り替えていたSさんにヒット。

根をかわし姿を見せたのはバラフエダイ

Kさんのミノーにもカッポレがヒット。

少し魚の活性が上がってきた様子。

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昼前、ついに潮が本格的に流れ始め、激しく波立っていた海面が潮流により押さえ込まれている。

いかにも回遊魚が回ってきそうな潮だ。

こういう潮の時はとにかく飛距離の出るダイビングペンシル。

沖に向かってフルキャストを繰り返していたMさんの別注平政が沈黙を破った。

 

危なげなく上がってきたのは10キロほどのカマスサワラ。

Mさんは続け様にカマスサワラをもう一本追加。さすがである。

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自分は実はこのカマスサワラが結構好きで、「俺もそのカマスサワラを仕留めるぜ」と言わんばかりにキャストし続けていると何やらヒット。

もぞもぞと控えめにバイトしてきたが、しっかりと竿に重みが伝わったのを見計らい、大きく合わせを3発ほど入れてやると、ファーストランが始まる。

重厚感はないが、早い走り。

ラインの角度を見て、大きく左に立ち位置を変えてポンピング開始。

手前のテラスに触れる事なく上がってきたのは先程と同等か、それよりやや小ぶりのキハダ。

Iさんを呼び、リーダーを掴んでもらおうとした段階でポロリと外れて元気よく海に帰っていった。

そこまで大きくはなかったし、なかなか綺麗なファイトをする事が出来たので、まあ満足だ。

 

皆にキハダが釣れた事を告げ、さあ全員で釣り再開と思ったところで、沖に浮いていた船から撤収の合図。

もう一度か二度くらいは回遊魚の群れが回ってきそうな感じだったが、こればかりは仕方がない。

忘れ物がないか入念に確認をし、磯を後にした。

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(船酔いで限界突破のお二人笑)

 

 

これで半年間の滞在期間における沖磯釣行は一旦終了。

残りの数日は部屋の片付けと送別会に追われる事になりそうだ。

さて、、。